前回、お話しました自分の適正ペースで走るために必要になる自分の適正ペースはどうやって知るのかこれからお話していきたいと思います。
前回、お話したのはこちらです。
適正ペースに従ってペースをマラソンの距離を刻んでいくための技術を身につけていくためには、自分のペース感覚を把握して、分析をする必要があります。
上手くできることもあれば、上手くできないこともあると思います。
上手くできなかったときほど、できないことを修正していくことで走りが上達していきます。
そのためにまず、自分の適正ペースを知るうえで必要になる最大酸素摂取量を知るための方法を説明していきます。
目次
最大酸素摂取量とは?
マラソンに関する自分の代謝能力を知ることができる指標が「VO2max」です。
動物は呼吸をすることで酸素を体内に取り入れて、酸素を利用して糖や脂質を分解することで運動エネルギーを作りだしています。
運動強度が高くなっても運動継続時間が長くなっても、体内に十分な酸素を取り入れ利用することができる能力が全身持久力です。そのため最大酸素摂取量は全身持久力の指標として用いられます。
最大酸素摂取量は、1分間の間に体重1kgあたり取り込むことができる酸素の量(ml/kg/分)を示しています。
「VO2max」はVolume〔量〕、O2〔酸素〕、max〔最大値maximum〕を略した言葉です。
20~40歳の一般人の最大酸素摂取量は、
男性の場合は35~45ml、女性の場合は30~40mlです。
トップクラスの長距離ランナーになると80mlを超えると言われています。
一般成人の倍近い数値になるので、すごいですよね。
ちなみに私は69mlが最高でした。
まだまだですね。
最大酸素摂取量を測定する方法(正確に測る場合)
しっかりとした数値を測定する場合は、「呼気ガス分析法」という測定方法があります。
呼気ガス分析法では専用の採気用マスクを着用しながら、トレッドミルや自転車エルゴメータで徐々に負荷を高めて実施します。
酸素摂取量は時間の経過や運動強度が高くなるにつれて徐々に増加していきます。ある程度の運動強度まで達した時に酸素摂取量の増加がみられなくなり、それがその人の最大酸素摂取量を意味します。
よくあるトレッドミルの上でマスクをつけてペースについていけなくなるぐらいまで追い込んで、測定するやつです。
正直、かなりきついですし、そのような施設を一般人が持つわけもありません。
一応、先にしっかりとした測定方法を先に説明しました。
最大酸素摂取量を測定する方法(一人でも近くでできる。安全)
先に説明します。12分間走です。
この方法は全身持久力を評価する指標にもなりますし、1000m走や1500m走などに比べて走行時間が長くなるので、ペースが遅くなるので、運動習慣があまりなくても、安全性が高い方法です。
やりかた
12分間を全力を出し切るつもりでなるべく速いペースで走り、走った距離を計測します。
下の表から自分の最大酸素摂取量を確認してみてください。
1400m | 22.5 | 2300m | 41.6 | 3200m | 60.8 |
1500m | 24.6 | 2400m | 43.8 | 3300m | 62.9 |
1600m | 26.8 | 2500m | 45.9 | 3400m | 65.0 |
1700m | 28.9 | 2600m | 48.0 | 3500m | 67.0 |
1800m | 31.0 | 2700m | 50.1 | 3600m | 69.3 |
1900m | 33.1 | 2800m | 52.3 | 3700m | 71.4 |
2000m | 35.3 | 2900m | 54.4 | 3800m | 73.5 |
2100m | 37.4 | 3000m | 56.5 | 3900m | 75.6 |
2200m | 39.5 | 3100m | 58.8 | 4000m | 77.7 |
この表をみて分かるように走った距離が長ければ、長いほど最大酸素摂取量の推定値の値も高くなります。
最大酸素摂取量の値が高いほどマラソンのタイムが良い
最大酸素摂取量は持久力の指数にもなるので、最大酸素摂取量が高ければ高いほど、持久力も高くなります。
そのため最大酸素摂取量の数値が高ければ高いほどマラソンのタイムもよくなります。
次の計算式に12分間走で走った最大酸素摂取量の値を代入して計算すると自分のマラソンでのゴール予想タイムを割り出すことができます。
自分の最大酸素摂取量が40のとき
387.3ー3.45×40≒249
4時間9分でゴールすることはできます。
次にマラソンで4時間を切りたい場合
すなわち最大酸素摂取量が43mlが必要になります。
43の値で走るにはまずは12分間走で2400mを走ることが必要になりますね。
このように自分の最大酸素摂取量を測定してトレーニングやマラソンのトレーニングに活用してみてください。